この地に留錫された弘法大師(空海)は、阿弥陀如来様を感得し、傍に樹齢何年かは定かではないが、太さが110センチ以上あろうかという御神木の楠に、国家安泰を祈念して阿弥陀如来様を刻まれ、御本尊として安置したのが寺のはじまり。

人間のもつ八つの苦難(生・老・病・死・愛別離苦・怨憎会苦・求不得苦・五陰盛苦)を離れ、十の光明に輝く楽しみが得られるようにと、寺号を光明山十楽寺とした。

そのころは現在地から離れた十楽谷の奥に広大な伽藍を擁していたが、天正年間の長曽我部元親の兵火ですべてを焼失した。この時の住職が本尊を背負い、弟子に経本を背負わせて避難させようとしたが、火に包まれ、経本も焼失し現在そのあとが経塚として残っている。御本尊阿弥陀如来様を現在の土成町まで命からがら運んで来て、寛永十二年に十楽寺が再建された。

本堂は明治に再建されたが、その後、平成4年に本堂が新たに落慶した。脇仏の勢至菩薩様と観音菩薩様は鎌倉時代の作とされている。御本尊阿弥陀如来様は秘仏の為一般公開していない。

 

十楽御詠歌

人間の八苦を早くはなれなば いたらんかたは九品(くぼん)十楽

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〇御詠歌解説

四 苦

1、生 2、老、3、病 4、死

四 苦 

1、愛(あい)別離(べつり)苦(く)

愛する者とも必ず別れなければならない。

2、怨憎(おんぞう)会苦(えく)

憎しみ合う者と会う苦しみ。

3、求(ぐ)不得(ふとう)苦(く)

求めるものが得られぬ苦しみ。

4、五(ご)陰(おん)盛(じお)苦(く)

身心の苦悩を云う。

十楽

1、聖(しお)衆(じゅう)来迎(らいごう)楽(らく)

臨終のとき阿弥陀仏や聖衆が迎えて、浄土に導いてくれる楽。

2、蓮華(れんげ)初会(しおかい)楽(らく)

蓮華の台座にたくして極楽往生した行者が、限りない歓楽を受ける楽。

3、身相(しんそう)神通(じんつう)楽(らく)

極楽の衆生はその身が常に光明である、極楽の衆生はその身が黄金色で内外ともに清く常に光明があり、そのはたらきはおし量り難いものがある。

4、五(ご)妙(みょう)境界(きょうかい)楽(らく)

色声など五種の対象が絶妙であることを云う妙なる極楽世界の楽。

5、快楽無退(げらくむたい)楽(らく)

仏道修行の過程において既に得た悟りや功徳その地位を退失しないこと。

6、引接(いんじょう)結縁(けちえん)楽(らく)

極楽に往生して神通自在の身となり、世々生々に恩をうけ縁を結んだ人々を導いて、条土へひきとることを得る楽しみ。

7、聖衆俱会(しぉじゅくえ)楽(らく)

極楽で互いに語りを交え法楽を得ること。

8、見仏聞(けんぶつもん)法楽(ぽうらく)

極楽に往生すれば常に阿弥陀仏を見て、深い教えを聞くことができる。

9、髄(ずい)心(しん)供仏(くぶつ)楽(らく)

心のままに仏を供養する楽しみ。

10、増進仏(ぞうしんぶつ)道楽(どうらく)

極楽に往生すれば自然に仏道を増進する。