【治眼疾目救歳地蔵尊】
今から数百年前(時期は定かではない)、親孝行な息子が、眼の見えない母親の手を引き、四国巡礼していた際、当十楽寺の大師堂の下にある石に心引かれ、一心不乱に地蔵菩薩のご真言「オンカカカビサンマエイソワカ」と唱えると、不思議な事に、開眼し、眼が見えるようになったと言われている。その石は誰が置いたのかは不明。弘法大師ゆかりの修行僧ではないか、とも言われている。

【愛染明王のご利益】

愛染明王は、煩悩(愛欲や欲望)を悟りに変えて、菩提心(悟りの境地)にまで導いてくれる大いなる愛の力を持つ仏様です。梵名は「ラーガ・ラージャ」といい、一面三眼で、全身が赤色であり、身体が赤いのは、愛染明王の大いなる愛と慈悲がその身体から溢れでている事を表現しています。三つの眼は、仁愛と知恵と勇気の三徳を表しています。その持っている弓と矢の力は、この世の迷いから人々を救い、敬愛と和合、又は、煩悩による苦しみの世界を打払う、とされています。その放たれた矢は、大いなる慈愛の力により、直ぐに目標に到達する事から、息災、増益、敬愛、降伏の四つの利益があり、降魔や除災、男女の縁結びに多いに効果が早くあらわれるとされています。

戦国武将の直江兼続が愛という字を兜にしていたのは、ご存じだと思いますが、その愛の字こそが、愛染明王だと言われています。その他には、源頼朝、お市の方は、愛染明王を守護神としていました。

愛染明王の愛染とは、「藍に染める」という言葉から、男女の良縁はいうまでもなく、染め物屋、アパレルからの信仰も篤く、人に対して敬愛の念を強く祈願しヒットを願う芸能人、商売繁盛を願う商人や企業家、出世を願うサラリーマンとその家族、身体健全を祈る人たち、必勝祈願の受験生と多種多様の方々から愛染明王は支持されています。

愛染明王はその字の如く愛を染めていただく佛様、良縁を結んでいただける仏様であり、それが、友達の縁であったり、仕事の縁であったり、男女の縁だったりします。その縁を最高の縁、良縁にしていただけるのが、愛染明王であります。

よく皆様がよく口にする言葉に「これはご加護だ」とか「これは何かのお知らせかも知れない」とかありますが、これこそが人の人智を超越した仏様の力なのです。

どれだけ愛染明王のご利益の力が大きいかうかがえます。

四国の徳島の霊場十楽寺の水子地蔵

【水子地蔵尊】

水子とはその名の通りこの世に生まれてくる事なく流れてしまった事を言います。必ずご先祖様には水子があります。どこからか「水子の祟り」とか言われますが、水子供養というのはその為にするのではなく、仏教では、輪廻転生(人は生まれ変わる)という言葉がありますが、今度生まれ変わって生まれてくる時は、無事に何事もなく生まれて下さい。という供養からするものであります。

【境内の案内】

十楽寺の縁起

この地に留錫された弘法大師(空海)は、阿弥陀如来様を感得し、傍に樹齢何年かは定かではないが、太さが110センチ以上あろうかという御神木の楠に、国家安泰を祈念して阿弥陀如来様を刻まれ、御本尊として安置したのが寺のはじまり。

人間のもつ八つの苦難(生・老・病・死・愛別離苦・怨憎会苦・求不得苦・五陰盛苦)を離れ、十の光明に輝く楽しみが得られるようにと、寺号を光明山十楽寺とした。

そのころは現在地から離れた十楽谷の奥に広大な伽藍を擁していたが、天正年間の長曽我部元親の兵火ですべてを焼失した。この時の住職が本尊を背負い、弟子に経本を背負わせて避難させようとしたが、火に包まれ、経本も焼失し現在そのあとが経塚として残っている。御本尊阿弥陀如来様を現在の土成町まで命からがら運んで来て、寛永十二年に十楽寺が再建された。

本堂は明治に再建されたが、その後、平成4年に本堂が新たに落慶した。脇仏の勢至菩薩様と観音菩薩様は鎌倉時代の作とされている。御本尊阿弥陀如来様は秘仏の為一般公開していない。

 

十楽御詠歌

人間の八苦を早くはなれなば いたらんかたは九品(くぼん)十楽(じゅうらく)

〇御詠歌解説

四 苦

1、生 2、老、3、病 4、死

四 苦 

1、愛(あい)別離(べつり)苦(く)

愛する者とも必ず別れなければならない。

2、怨憎(おんぞう)会苦(えく)

憎しみ合う者と会う苦しみ。

3、求(ぐ)不得(ふとう)苦(く)

求めるものが得られぬ苦しみ。

4、五(ご)陰(おん)盛(じお)苦(く)

身心の苦悩を云う。

十楽

1、聖(しお)衆(じゅう)来迎(らいごう)楽(らく)

臨終のとき阿弥陀仏や聖衆が迎えて、浄土に導いてくれる楽。

2、蓮華(れんげ)初会(しおかい)楽(らく)

蓮華の台座にたくして極楽往生した行者が、限りない歓楽を受ける楽。

3、身相(しんそう)神通(じんつう)楽(らく)

極楽の衆生はその身が常に光明である、極楽の衆生はその身が黄金色で内外ともに清く常に光明があり、そのはたらきはおし量り難いものがある。

4、五(ご)妙(みょう)境界(きょうかい)楽(らく)

色声など五種の対象が絶妙であることを云う妙なる極楽世界の楽。

5、快楽無退(げらくむたい)楽(らく)

仏道修行の過程において既に得た悟りや功徳その地位を退失しないこと。

6、引接(いんじょう)結縁(けちえん)楽(らく)

極楽に往生して神通自在の身となり、世々生々に恩をうけ縁を結んだ人々を導いて、条土へひきとることを得る楽しみ。

7、聖衆俱会(しぉじゅくえ)楽(らく)

極楽で互いに語りを交え法楽を得ること。

8、見仏聞(けんぶつもん)法楽(ぽうらく)

極楽に往生すれば常に阿弥陀仏を見て、深い教えを聞くことができる。

9、髄(ずい)心(しん)供仏(くぶつ)楽(らく)

心のままに仏を供養する楽しみ。

10、増進仏(ぞうしんぶつ)道楽(どうらく)

極楽に往生すれば自然に仏道を増進する。